本格的な夏になると、父が亡くなってから植えた、きゅうりやらトマトやらも採れだした。
なかでも、とうもろしは傑作が出来た。
しかし、イタチ避けのネットやら肥料やらを考えると、スーパーで1本百円で売ってるのが不思議。
俺んちの少量収穫では、1本800円くらいかかっとるんやないか。
もうひとつ、最後の収穫がちょいと遅くて、水分が抜け皮が硬くなったのが残念。
来年は採り時を間違わんとこ。
茄子も信じられんくらい美味しかった。
皮の柔らかさ、実の甘味、瑞々しさですいずれも家庭菜園レベルでは感激ものだった。
そのころ、弟は石の下と奮闘していた。
興味を持ってやっているし、自分で工夫と苦労を重ねた方が良いし、一緒にやるよりそれぞれやった方が良いかなと思った。
「石の下の方は任せるよ」
さらに、ヤル気スイッチが入ったみたい。
農機具を小まめに購入し、荒れ放題の石の下に果敢に挑み出した。
パチンコ屋裏は、通りに面していない静かなところだけど、石の下はそこそこ人通りがあるし、ご近所の方々も声をかけてくださる。
ご近所の集会に行っても、弟と母が畑で夕方に仕事していることが話題に出る。
弟も我が町デビューやな。
実家に帰ったとき、母と弟が住む離を訪ねると、畑話で盛り上がる。
弟は、畑のテレビ番組を念入りに観、YouTubeでも検索して作りたい野菜や畑の維持管理の情報を得ているらしい。
熱心やな。
けど、彼は彼で俺がちょちょちょいっと畑を耕して、そこそこのものを収穫するのが不思議らしい。
つづく